ども~タニで~す。
皆さんは、プランニングする中で【ウツワの計画】を失敗したことがありますか?
すいません・・・m(__)m のっけから当たり前のことを聞いてしましました・・・・
一級建築士受験生にとってあるあるですよね?!ウツワの失敗。
ここで一応【ウツワ】についてですが、建物の外郭、形状のことです。(念のため)
このウツワの計画って一級建築士に合格するための第一歩だと思うんですよね。
ここをミスると建物の中がブカブカになったり、その逆にキツクなったりプランがまとまらなくなります。
特に、ウツワを削りすぎて要求室をまとめて納めたいのにまとめれないときはプランが進まず
手が止まり焦ります。
でも今日紹介する過去問をウツワの勉強という意識でエスキスをすると
ウツワの広げ方や削り方の理解が深まり自信がつきます!
非基準階、コミセン系のエスキスをし、ウツワのパターンを知り経験値を増やして合格の第一歩を
一緒につかみましょう!
ウツワの勉強【過去問厳選1作目】
H12 世代間交流ができるコミュニティセンター
H21年に一級建築士製図試験内容の見直しが行われ、現在は自由度の高い出題となり
H12当時の課題を解く意味はあるのだろうかと私自身思う部分もありましたが
この課題のエスキスを行い、かなりウツワの勉強になりました。
この課題のウツワに関係する特徴
- 建蔽率:60%
- 敷地:間口50m×奥行55m 南側から奥行40mの部分は傾斜地
この二つの特徴だけでもどうでしょうか?何かお気づきになりますか?
1階のウツワがいつもの42m×28m₌1176㎡よりも大きくなるということです。
こちらは先日私がエスキスを行ったときのプランです。
もうお分かりかも知れませんが、この過去問をなぜ紹介したかと言いますとウツワの形状がいつもの
6コマ×4コマよりも大きくなりウツワを広くして計画するということに対応した勉強が出来るからです。
条件整理をして、さてプランニングを始めようかと思ったときに迷うと思います。
いつもとウツワが違う・・・・
私たち受験生はどちらかというとウツワを削ることは拒否反応は比較的少ないと思いますが
ことウツワを大きくする、ウツワのコマ数を増やすということには一瞬戸惑うのではないでしょうか?
特に私のようにプランに時間がかかる人はウツワ広げるということに対する戸惑いは多いと思います。
私はのH12の過去問を遠い過去の製図本試験課題と思っていましたが、H21製図試験内容が見直された
現在でも学ぶところが満載の課題です!
ウツワの勉強【過去問厳選2作目】
H14 屋内プールのあるコミュニティ施設
こちらも先程に続き、H21製図試験の見直しが行われる前の課題ですが、ウツワの勉強になります。
この課題のウツワに関係する特徴
- 建蔽率:70%
- 敷地:間口52m×奥行38m
- プール室:450㎡ 天井高さ5m以上
- エントランスホール:吹き抜け、高木(樹高8m、枝張4m)
ザックリとした特徴ですが、この内容からいつもと違うと判断できる部分は敷地の広さです。
なぜいつもの基本系50m×35mより広いかのか?
それはこの課題は、多分、6コマ×4コマ₌1176㎡でのプランは厳しいのではないかと思います。
プール室の広さやその上部を吹き抜けとした場合とエントランスホールの高木のための3層吹き抜け、
そのようなことが影響するため一コマ増やすかという選択に迫られます。
そしてこの課題で勉強になるのは、プールの配置を縦に配置するか、横に向けて配置するか
それによって東西方向に一コマ増やすか、それとも南北方向に一コマ増やすかという判断に分かれるところです。
私は、東西方向に6コマから7コマへ一コマ増やしプール室を横向きの配置する計画としました。
この課題のプール室は2指定です。
もう一つのパターンとしては東西方向を6コマ、奥行きの南北方向のコマを5コマの6mスパンとして
30mの縦向きにプール室を配置するというプランも考えられます。
このように、縦方向のスパンを増やすという考え方ができるとプランの幅が広がりますよね。
もう一つこの課題で注意しておきたいところがあります。
それは、プール室の要求面積を確保するためにスパン調整をし、ウツワを広げるとアッという間に
床面積オーバーになるところです。
敷地の広さから余裕があるため、スパン調整だけの考え方にハマって、スパンを広げてみるという
方向が思いつかないと、なかなかプランがまとまらず時間ばかり経ってしまします。
私自身、1回目のエスキスでスパン調整の床面積オーバーで泥沼にハマりました・・・(-_-;)
この課題は、コマの増やし方やプール室やアリーナ等ボリュームが大きい要求室があった場合の
コマの取り方など、スパン調整も含めて経験値が上がる厳選課題の一つだと思います!
ウツワの勉強【過去問厳選3作目】
H19 子育て支援の施設のあるコミュニティセンター
この課題は、先ほどの2課題とは違いウツワの削り方が学べる課題です。
この課題のウツワに関係する特徴
- 建蔽率:70%
- 敷地:間口50m×奥行33m
- 周辺環境:北側 道路、南側 遊歩道、河川敷
- その他の施設等:噴水広場、(地上、直径5m以上の円、150㎡以上)
このことからどのようなウツワが想定されるでしょうか?
南側に2mのヘリアキを確保し南北方向に7m×4コマ₌28mとした場合
北側がのヘリアキが3mとなり駐車場が計画できません。
この地点で南北方向のスパン調整を視野に入れてプランを進めることとなり
尚且つ「その他施設等」の噴水広場でもウツワが削られます。
私はこのようにウツワを決めました。
噴水広場を計画するために南東のウツワを3コマ削り、北側のヘリアキを駐車スペースとするために
南北方向の2スパンを6mスパンとし5mのヘリアキを確保しました。
この課題で勉強になるのは、「敷地」の条件や「その他の施設等」の条件によりウツワ全体(3層)が
削られ小さくなりその中で要求室をまとめれるのかどうかというところにあると思います。
もし要求室が納まらない場合は、屋上庭園などの階振りの再検討も必要となります。
ウツワの勉強【過去問厳選4作目】
R1 美術館の分館(10月) (美術館の分館12月についてはこちらをご覧ください)
この課題の特徴はもう~何といっても敷地が小さくその上、建蔽率が60%と厳しい。
敷地と建蔽率という視点で過去の厳し~い本試験課題を見てみると
H20 ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設
- 敷地面積と建蔽率 1500㎡×90%₌1350㎡
H23 介護老人保健施設
- 敷地面積と建蔽率 1330㎡×80%₌1064㎡
R1 美術館の分館(10月)
- 敷地面積と建蔽率 1536㎡×60%₌921㎡
どうでしょうこの過去問の研究!!!
過去の本試験課題で敷地の小さい課題をピックアップして建蔽率と合わせて比べると敷地はH23が一番
小さいですけどウツワは断然R1「美術館の分館」が小さいことが分かります。
R1「美術館の分館」は【本館】が隣地にあり本館からの外部動線、公園からの外部動線、分館の利用者と管理の
外部動線とこの外部動線をどのようにまとめるかという部分にこの課題の難しさを感じますが
それと同時にウツワの計画にも今までにない難しさを感じます。
この課題のウツワに関係する特徴
- 建蔽率:60%
- 敷地:間口32m×奥行48m(縦長の敷地)
- その他の施設等:屋外テラス、駐車場、トラックヤード
ここで分かるのはまず、縦長のウツワが求められています。
これは、過去問となった今だからそれほど感じないかもしれませんが、後半戦から
試験対策として取り組む添削課題に縦長の敷地の課題が無く本試験で縦長の敷地となった場合
想定外の負担を感じながら6時間半戦うことになります。
そのことから、この課題を解くことで縦長の敷地に対するウツワの計画の経験を積むことでき
いつもの横長のウツワ、想定外の縦長のウツワ、どちらのウツワにも対応できる力がつきます。
そしてもう一つの重要ポンイント!
この課題は先程もお伝えしましたが、敷地がいつもの年に比べ小さく尚且つ
建蔽率が60%とかなり1階のウツワか制約されます。
ここで、この建築面積を必要以上に小さく計画すると必然と建物全体のウツワが小さくなり
2階に部門をまとめて計画したいのに、まとめきれず3階に振り分けるということが起こって
各部門が各階に点在するということになりかねません。
これがR1のウツワに対する計画の難しさではないでしょうか?!
外部の動線も整理しながらウツワを計画するので特に北側の計画に難しさを感じさせます。
ウツワの計画とともに外部動線の整理についても非常に勉強になる課題だと思います!
まとめ
一級建築士に合格するための第一歩はウツワの計画にあると思います。
ウツワの計画が要求室の計画できるウツワなのか?!
特に私のようにプランのまとめるスピードの自信のない場合は要求室の配置にの要領に
目が行きがちですが、もしかすると要求室の配置以前の話でウツワの計画が厳しいものに
なっているのではないでしょうか?
その解いた課題でウツワを見直し、ウツワのパターンをつかんで一級建築士合格というゴールに
突き進みたいです!
目指せ一級建築士!
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